面接を何に例えるか。
面接を、どのようなものだと捉えて臨むか。
これ実は非常に大事。
人によって様々違う捉え方をしている。
無理もない。なにせ、評価基準が公表されていないのだから。
どう捉えてどう臨んでどう思われたら良いか、絶対的な答えはない。
しかし、面接官は何かしらの評価基準を持っているはず。
そのブラックボックス的な評価基準はわからないにしろ、面接をどのようなものだと捉えれば良いのか。
この考え方の違いで、面接でのパフォーマンス、ひいては評価が大きく左右されることは間違いない。
様々な就活生や元就活生の面接する姿を見ていると、いくつか気づくことがある。
特に俺が気づいて面白いなと思っているパターンを4つ取り上げて話していきたいと思う。
まず、
パターン1:不倫した芸能人の記者会見
笑うでしょ。
不倫した芸能人の記者会見かのように面接を受けている就活生、めちゃくちゃ多いと思うよ。
別の陳腐な例えをするなら「お葬式かよ。」とも言うが、「不倫した芸能人の記者会見かよ。」の方があまりにも的確な例えツッコミだ。
不祥事を起こした芸能人は、その記者会見にどんな気持ちで臨んでいるか。
・ボロを出したくない。
・不名誉を広げないように無難に済ませたい。
・さっさと終わって欲しい。
・記者が怖い、敵である。
・自分がしたことが後ろめたい。
このような気持ちで面接に臨んでいる人がなんだか多いなあと、多数の学生を見て気づいた。
まじで多いです。
こういう人は就活がうまくいかない傾向。世間を見渡すと実はたっくさんいる。
逆にうまくいっている友達を見ていると、さっきの気持ちと反対の意気込みを感じる。
・自分を伝えたい(×ボロを出したくない。
・成功させたい(×不名誉を広げないように無難に済ませたい。
・時間いっぱいアピールしたい(×さっさと終わって欲しい。
・面接官と仲良くなる(×記者が怖い、敵である。
・自分がしたことに自信がある(×自分がしたことが後ろめたい。
パターン1で捉えるか、その逆で捉えるか。
ここの話を俺はこの記事で一番伝えたい。
「不倫した芸能人の記者会見」という表現を思いついてあまりにもしっくりきたのでこの記事を書き始めたと言っても過言ではない。
次。
パターン2:嘘つき大会
よく言われることだ。
「就活は嘘つき大会。」
「嘘で飾って自分をよく見せられるやつが勝つ。」
よく見る言葉だ。
おそらくそれは、
「ありのままの自分じゃ受かるわけがない。」
という発想に基づく。
世間一般ではもちろん多いが、高学歴の人々の間でもこのような考え方の人が多い。
でも模擬面接で面接官役を何回かすればわかるけど、「今嘘ついたな。」って思った瞬間即刻落としたくなる。
本当に面接官役をやればわかる。
面接では基本的に、その人がどういう人なのかを知りたいから質問している。つまり質問への回答から目の前の学生を明らかにしていくのだ。
であるのに、回答が嘘だと、質問をしてもその人が理解できないということになる。
そうなると質問しても意味がない。即刻落として面接を早く終えたいという気持ちになる。
このように、就活生が話していることが事実なのか嘘なのかというのは面接官にとっては結構重要である。
嘘をつく人が結構いるからこそ、面接官は気にしている。
嘘をつくなら絶対バレないようにして欲しい。
ではどういうときに嘘に勘付くか。
普通に、「それほんまか?」って思うことがよくあるのだ。
それほんまか?①
典型的なのは、"ガクチカ"に違和感があるパターン。
「ただの一バイトの身分で、しかも居酒屋という舞台にもかかわらず、人材育成制度の改革を主導することによって、売上を1年で1.5倍にした。」とか。
俺の就活友達ともこういう「一個人の裁量権を逸脱しているエピソード」は嘘だと気づくよねって話していたので、あるある典型例みたいです。
それほんまか?②
俺がもっと強烈に違和感を覚えるのは、"強み"。
まじで。
一番思った例を挙げる。
「私の強みは、コミュニケーション能力です。カフェでアルバイトをしていたときは積極的にお客様に話しかけることによってお客様の満足度を向上することができました。初対面の人とも仲良くなるコミュニケーションが強みだと考えています。」
と、ボソボソと小声で抑揚なく滑舌悪く猫背で言われても。
見るからに嘘じゃん。明らかに。
"強み"を、自分の"理想像"と勘違いしている人は結構多いように思う。
受けている会社の歓迎する理想像の合わせて自分の理想像をぶつけたくなる気持ちはわかる。
しかしそれで嘘をついたらよくないよ。
それほんまか?③
今のは強烈に違和感を覚えた強みの例だが、次に挙げる例も普通に違和感を覚えた。
「私の強みは課題解決力です。私はミスコンに出場しまして、その際SNSで知名度を得る必要がありました。そこで私はTwitterに目をつけ自分のことを発信しました。このように課題に対して工夫して行動していく力があると思います。」
と、可愛い顔で可愛い声で言われても。
課題も不明瞭な上、
解決策としてはTwitterはみんなやっている手段であって差別化にはならないかと。
多分知名度を得たのは可愛いからでしょ、ごめんけど。
この人の場合、"セルフブランディング"、"人前に出る行動力"あたりを強みとして言うべきだと思う。ここを評価して採用したいと思う面接官はごまんといる。
以上違和感のある"強み"として挙げた二つの例は、どちらも「就活生が主張する強み≠面接官が感じる事実としての強み」となっている。
そうなってしまうのは、①嘘をついている、②自己分析が間違っている、③面接でのパフォーマンスをミスっている、の3択あたりが原因であろう。
どれにしたって低評価を受けるだろうから、「正しい自己分析のもと、誠実に、自分の良さが表れるパフォーマンス」をしたいところだ。
パターン3:合コン
多分多少いる。合コンだと思っている人。
よく就活は恋愛に例えられる。好きな企業に好かれるためアピールする構図と、好きな人に好かれるためアピールする構図は酷似している。俺も就活を恋愛に例えるのは好きだ。
では面接を合コンだと思って臨むとどうなるか。
・相手を楽しませる
・自分の良いところをアピールする
・相手を褒める
・やや不真面目
面接としても良い線行っていると思う。
普通に悪くない。パターン1より数倍良い。
恋愛で例えるとして、これが合コンではなくデートだとあまり良い例えではないと思う。
明白に競合がいるなかでアピールすべきという観点では、合コンの方がより適切か。
パターン4:新規開拓営業
これで思っている学生はあまり聞いたことがない。
俺はこれで思っているというもの。
新規顧客を開拓する法人営業みたいなものだと、面接を捉えている。
・自分が能力的に信頼できる人間であることを示す
・自分が人柄的に信頼できる人間であることを示す
・自分がお相手と一緒に仕事をすると双方にメリットがあることを示す
こんな感じ。
「一緒に仕事をしたいか」を見極めるのが面接であるため、当然のことと言えば当然のことなはず。
新規開拓営業だと思って面接を受けるのを想像して欲しい。
面接の1時間前。こちらの会社が持つ魅力・提案できる製品やサービスの内容(自己分析の内容)を振り返る。相手に沿った提案ができるように相手企業の情報をしっかり調べる。誠実な印象を持ってもらえるよう身嗜みをチェック。緊張をほぐして時間を待つ。
いざご対面。気持ちよくこちらの営業トークを聞いてもらう土台を作るために、普通に考えて軽く仲良くなるべき(雑談で和ませるなど)。※面接だと忘れがちだが、できる営業マンを想像したら、この時間も大事だとイメージがつくはず。
和んだところで双方の会社紹介(自己紹介)。何者かがざっくりわかるレベルで、象徴的な基礎情報をいくつか開示するイメージ。
営業ならここでおそらく相手企業の課題ヒアリングをすべき。(面接では事前に中期経営計画などで下調べをするべきって感じでここではしない。営業でも下調べするよね。)
相手の課題に対して自分がぴったりのソリューションを提供できると確信を持って、いざアピール開始。
相手は、求めるものを営業マン(就活生)が持ち合わせているかを探りながら質問をしてくる。どのようなことを気にして質問をしているのか、すなわち質問の意図は多少意識しておくべき。その上で誠実に持ち合わせる魅力を伝えていく。
時にネガティブなことも聞かれるが、完璧な製品など逆に不自然だ。誠実に伝えることで信頼を得ていく。
そしてプラスの魅力があって、それでいて致命的なマイナス要素もないな、と思ってもらう。
そのなかで前述の通り、
・自分が能力的に信頼できる人間であることを示す
・自分が人柄的に信頼できる人間であることを示す
・自分がお相手と一緒に仕事をすると双方にメリットがあることを示す
ことができていく。
すると面接が終わった頃に面接官は「この人と仕事がしたい。」と思うのだ。
これが俺が思っていたパターン4の新規開拓営業と面接を捉えるもの。
終わり
以上、悪いものと良いもの2つずつの、4つのパターンを話してきた。
共感してくれたら嬉しいです。
(終)