「別の人の彼女になったよ」と東大生の恋愛

「別の人の彼女になったよ」

wacci　さんによる楽曲である。

公開は昨年、2018年。

決して古くはないが、新曲として一大ブームが訪れたのは一年ほど前である。

そんな今、私はつい先日初めてしっかりこの曲を聞いた。

以前からこの曲は知っている。

My Hair Is Badの「恋人ができたんだ」をYouTubeで聞いていたときや、

あるいは Official 髭男dismの「Pretender」を聞いてるときに、

おすすめ動画としてサジェストされることが度々あった。

しかしサジェストされるも、タイトルからして開くのが怖かった。

「別の人の彼女」になったよ。

タイトルからして「別」じゃない人のことを想っているということがわかる。

聞いたら辛いのだろう

そう思い当時はしっかり聞くことのなかった私だが、

最近心がとても元気であるため、ようやく先日動画を開くことができた。

聞いてしまった。

いやーなんと辛い曲…！！

他の人の彼女になったけど、元彼が好き

主人公の女性。好きだった彼氏と別れ、今は他の男性と付き合っている。

今の彼氏は落ち着いていて余裕があって、とても優しい。

感情的にならず、賢い。

態度でなくて言葉で愛を伝えてくれる。

怒るところがなくて喧嘩もしない。

大人で優しい今彼。とても落ち着いた恋愛をしているみたいだ。

だからもう会えないやごめんね。

一生懸命おしゃれしてちゃんとしなきゃと思う。

大きな声で愚痴を言うと叱られてしまう。

夢や希望を語るより現実をみていて、正しいことしか言わないから本音を曝け出せない。

大人でしっかりしている今彼だけど、主人公の女の子もちゃんとしなきゃいけないような気持ちになる。

現実主義的な彼氏の前だと、自分の理想を押さえつけてしまう。

本音で語れていない、自分を出せていない、そんな気持ち。

だけど私はずるいから

だからもう会いたいやごめんね。

あなたも早くなってね

別の人の彼氏に

私が電話をしちゃう前に。

今彼氏のことが理性では好きかもしれないけど、感情、心の奥底では好きにはなれていない様子である。

そして元彼。あなた、好き。今すぐ話したい。心は元彼のもとに。。

ほんっとうに辛い！！

彼女の辛さ

彼女の辛さを整理したい。

• 好きだった元彼と別れて辛い

• 今彼と本当の意味で分かり合えず好きになれなくて辛い

• 今彼がいるのに元彼のことばかり考えてしまうことが辛い
• 元彼に新しい彼女ができていないのも復縁の可能性を感じてしまって辛い

ここら辺になると思う。。

うん、いやー辛い…！

わかります。。

今彼の辛さ

彼女の辛さもわかる。

いやわかるよ？

でもさ、今彼の気持ちを考えてみようよ。

• 愛しい彼女ができた
• 彼女の前では頼れる男でいたい
• 彼女に「好き」と言葉で愛を伝えるようにしている
• 彼女は優しくて知的な自分を評価してくれる
• 怒らせることのないよう優しく接している
• 甘やかすばっかりでなくたまには叱るようにしている

待て待て！！めっちゃいい彼氏！！ねえ！！めっちゃいいじゃん！！え？？

なのに、

• 彼女は自分の良いところも悪いところも元彼と比べているようで辛い
• 自分の真面目な性格が彼女を無意識のうちに縛り付けているらしく辛い
• 大好きな彼女が実は元彼に電話をしたがっていて辛い

かわいそすぎる。。

自分の性格が無意識のうちに彼女を縛り付けてしまっている。

真面目さや、大人びている、という悪くはない性格が。

だがもちろん真面目で大人という性格だけではなく、彼女に正面から向き合えていなかったのが悪かった。

そこは今彼の落ち度であった。

いい彼氏だし、悪気もないし、、でも彼女という人1人に正面から向き合って本音を曝け出せなかった、そのことが事を悲劇に変えてしまった。

可哀想だ。

東大生の恋愛

この曲を聴き終えたとき、私が一番強く思った感想は、

「やっべ、気をつけよ」

であった。

私は聞いていて、今彼を東大男子に重ねずにはいられなかった。

歌詞から今彼の描写を抜き出すと、

• 大はしゃぎせず
• 余裕があって
• 大人で
• 優しくし
• 映画観て泣かず
• どんなことにも詳しくて
• 尊敬できる
• キスや態度で終わらせずに「好きだ」と言葉でくれる（＝態度より言葉重視）
• 怒鳴り合いはおろか、口喧嘩もない
• 怒るとこがどこにもない
• すっぴんではいられない（素を出しにくい）
• 愚痴を言うと叱る
• 夢や希望を語ることを嫌って現実を見つめていて
• 正しいことしか言わない

東大生っぽさを、私は感じた。

私が東大生であるからこそ、周りの友人がこう言われる様が浮かんでしまった。
友人だけでなく自分も含めた話である。

一般的には褒め言葉であるような性質が多い。

これは確かにそうだ。

大人で優しくて尊敬できる。

モテそうなものだ。

だが、周りの友人がモテないことを私は知っている。

大人で優しくて尊敬できてもだ。

大はしゃぎして、映画で泣いて、感情をよく表に出す。

キスや態度を大事にして、口喧嘩を頻繁にできるほど本音を言い合えて、

夢や希望も恥ずかしがらず裸でぶつけられるほど相手を理解し合う。

そういう人は時に、男として、そして人間としても魅力的に映る。

その裏もまた然りなのである。

もちろん価値観は人それぞれだ。

やはり感情的にならずに落ち着いている人の方が好きという人もいるし、感情の吐露が少ないことは悪いことではない。

だけど、この彼女は、感情も恥ずかしい夢もすっぴんも全て曝け出せる関係を望んでいた。

ならばそれを感じ取って、全部曝け出すよう努めることができたらどんなによかったか。

それは難しい。それもわかっている、けど

私は、全てを曝け出せる関係を作れる人でありたい。

ーましてやその相手が、愛する彼女であるなら。