しょんだの思考記録

逆張り思考・コミュニケーション など、俺の頭の中を晒します.

『はな恋』を観るか迷ってさ?

(4月に書いた文章です。人に見せるものでもないかとも思ってたけど、就活終わったし放出します。) 

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『花束みたいな恋をした』

 

観ないつもりだったけど、結局観てきた。

「別れたくなるからカップルは観ない方が良いよ。」

「気まずくなるから気になる子と観に行かない方が良いよ。」

あーじゃあいっか、観なくて。って思うじゃん。

 でも結局観てきた。男友達と。

その感想を言わせて。

みんなすでに観てる前提で話すけど、よろしくね。

 

 

 

感想

「二人のすれ違いの過程をリアルに描いてくれた教科書」だな。

すれ違いに立ち向かうための材料。事例研究の材料として見たらいいんじゃないかな。

 

奇跡的なまでに共通点が多く、こだわりや価値観が合う。こんなに相性が良さそうな二人ですらすれ違い、別れてしまった。そんな事例。

もともと全然共通点もないし見た目もタイプじゃないし、、みたいな二人だったら、そりゃ合わないわで済む話。

そうじゃなくて一見めちゃくちゃ上手くいきそうなのに上手くいかなかった、もったいない事例にこそ学びがある。コミュニケーションの取り方次第で上手くいくシナリオが全然あった二人だから。そうじゃない?

 

 

俺の一番の学びは、

「違いを楽しむ」

ことかなあ。

共通点の話で意気投合したことから始まったカップル。

共通点に拘ってはいたけど、相違点を曝け出し認め合い楽しむことができていなかったのが、別れに至った最大の原因だと思う。

 

すれ違い

どんなすれ違いがあったっけ。

趣味

元はと言えば、出会いは趣味の共通点。映画・小説・音楽・お笑い。話が盛り上げる共通の話題。二人の距離を急速に縮めるには十分すぎた。奇跡的な合致率に思われた。

しかしもちろん、全ての趣味が一致するわけはない。麦は本当はミイラは興味がないし、絹は本当はガスタンクなんて微塵も興味がない。でもこのとき、その相違点は伝えていなかったよね。相違点を曝け出せていなかったと思う。

時は流れ、同棲して特に麦の仕事が忙しくなってきた頃。映画などの共通点を一緒に楽しめなくなり、一緒にやろうと行っていたゼルダもできず、すれ違い。共通点に依存していた二人は、その共通点が楽しめないことで不満が募っていく。

相違点を理解する余裕を持てたらよかったなあ。。

 

仕事

イラストレーターで食えなくなった麦は既卒就活をしやっとのことで内定を得た会社で身を粉にして働く。麦の親は職人で、それを継ぐように言われていたが。

絹は新卒就活に嫌気が差すもフリーターののち堅実に事務職につき、その後は好きなイベント会社に転職。絹の親は広告代理店で、社会人になることを「風呂に入るようなこと」と例え必要性・有用性を説いていた。

 

二人の仕事観はと言うと、

・絹は楽しいことを仕事にするため、事務職の退職も厭わない。

・一方の麦は仕事は責任、遊びじゃないと批判。。

このすれ違いが象徴的だったと思う。

麦の良い暮らしをするためには割り切って仕事を頑張ることも大事という考え方はイラストレーター時代の厳しい経験があってこその考えで一概に批判できないし、絹の考え方も一概に批判できない。

どちらが間違いってことはないからこそ、コミュニケーション不足・お互いの納得感不足だなあと思うよね。

就活真っ只中の俺の心も揺さぶられた。俺はどの仕事を選んで、仕事をどう捉えて、どんな結婚をするんだろう。そもそもするとは限らないけど。二人の仕事観のすれ違いを、人ごととは到底思えなかった。

 

恋愛観

絹の恋愛観

序盤。絹が、昔デートに行ったことのある男性とたまたま再開し焼き肉に行くシーン。男性に彼女がいると発覚し、呆れてしまう。

ここ、地味に絹の恋愛観を表していると思うの。

あとのシーンで、「恋愛生存率」というブログを愛読している描写がある。恋愛はそのほとんどが別れて終わっていくという話。

ここら辺を合わせて考えると、多分絹は恋愛・男性にそこまで期待していないと俺は思った。

「魅力的な男性は他の女性ともうまく行ってしまう。私が付き合ってもいつかは終わりが来るんじゃないかな。続いてくれたら嬉しいけど、難しいよね。」

多分こんなふうに考えてると思う。

それを裏付けると思ったシーンがもう一つ。

「女の子に花の名前を教わると、男の子はその花を見るたびに一生その子のこと思だしちゃうんだって」と言う絹。麦は「じゃあ教えてよ。」尋ねるも、絹は教えないというシーン。

ここでの絹の気持ちは、「ここで花の名前を教えてしまうと、麦は一生私のことを思い出すことになる。そこまでの責任は負えないな。だって、私たちもいつかは終わりが来る、多分そうでしょ?」といった具合なんじゃないかな。

 

他の観点の絹の恋愛観を表すシーンを話させて。

時系列が前後するけど、付き合う日。付き合い始めファミレスからの帰り道の信号を待ちながらキスしたあとのシーン。

「こういうコミュニケーションは頻繁にしたいほうです。」

スキンシップをたくさんしたいという恋愛観がわかる。

その恋愛観は後々にも響いていく。付き合って結構した頃のシーンに時間を飛ばすと、二人がセックスレスになったとのナレーション。これは絹の語り。「3ヶ月もセックスレスの恋人に〜〜」というセリフが絹の不満を表している。

だからこそ、多分絹は浮気をしたんだと思う。明確な描写はないけど、多分イベント会社の社長(オダギリジョー)と浮気をしたはず。絹はその社長みたいなチャラい人を本命で好きになることはない子だと思う。けど麦との不満から、一夜限りなら良いかと思ったんじゃないかな。

根拠は、ラーメンに行ったあとのメッセージの雰囲気は気持ちの揺らぎを感じたのと、別れが決まったあとの「正直、1回くらい浮気したことあったでしょ?」という絹から麦への問いかけ。

「浮気?え、あるの?」「なかった?」「え、普通にないけど」「ふーん」「えっ?」

このやりとりから俺が感じたのは、①多分絹は浮気をしていたこと、②絹は男の一途さに期待していないこと。ここもさっき太字で書いた、「魅力的な男性は他の女性ともうまく行ってしまう。私が付き合ってもいつかは終わりが来るんじゃないかな。続いてくれたら嬉しいけど、難しいよね。」と同じようなこと。

 

麦の恋愛観

正直、俺は男の麦視点で自分に重ねて映画を観ていたからこそ、絹はどういう気持ちなんだろうと思って観ていた一方で、麦の考察はあまり冷静にできないかもしれない。

居酒屋で美人の先輩に思わせぶりなことを言われても振り切って、居酒屋から出ていく絹を追いかけたこと。一貫して他の女性の影が見えないこと。すれ違いがあっても結婚したいと考えていること。

ここから感じるのは、「結婚に向いているタイプ」の恋愛観だ。

 

麦は「結婚には力がある」と思っていると俺は感じる。

結婚すると二人の関係が次のステージに進んで、子供ができると二人の気持ちが新しい方向性に進んで、、という力が。

そこについては本当にわかる。俺もそうだと思うし憧れる。

 

しかし行き過ぎたなと思うのが、二人が喧嘩するシーン。舞台を観にいく約束がだめになって始まった喧嘩の末、つい麦が関係性を打破するために言ってしまった言葉が、

「じゃあ結婚しようよ。」

あちゃー。考え得る最悪のプロポーズ。関係性を打破するために結婚の持つ力を利用しようとするということを、喧嘩中に言ってしまうのはあかん。あくまで同じ気持ちで同じ方向を向いてするものだから。結婚って。

でも結婚に力があることには俺もすごく賛成するし、きっと二人が結婚していたら幸せになる道も全然あったと思う。

 

そして

趣味・仕事・恋愛などの価値観が少しずつすれ違って、気づけば戻れないところまで来ていた。

知人の結婚式の日。お互いはもう別れどきであることを悟っていて、別れ話を切りだすと決めていた。別れることを互いに決めながら帰るまでに楽しく遊ぶ二人。例のファミレスに入り、別れ話を切り出す。

 

そこに高校生カップルが入ってくる。

初々しく敬語を話している。

靴が同じ。

趣味で意気投合。

……やめて、、、、

まるで出会った頃の麦と絹。かつての二人と、すれ違ってしまった現状の二人を比べ、悲しくて切なくて。泣きだす二人と一緒に、俺も泣いた。

 

 

まとめ 

序盤は甘い恋愛ドラマで、中盤は仕事と葛藤する現実で、終盤は人間の難しさによる切なさ。

俺は二人に別れて欲しくなかったし、別れない道もあったと思う。

そっちの道を進んでいく。そのためには相違点を認め合える関係でありたいね。違いをむしろ楽しめるくらいの関係でありたいね。

ってのが今回のまとめかな。


読んでくれてありがと。じゃ、またね。

 

 

 

(終)

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」の世界で強えやつは誰だ。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」

 

誰が強いんだ!?

この慣用句の世界ではさ!!

 

第1位

『みんなで渡るやつ』

堂々の1位おめでとうございます。

普通は怖がるようなことが怖くないんですもんね。常識を覆す姿勢を評価し、1位となりました。 

さすがは慣用句の主題といったところか。

 

第2位

『赤信号は渡っては行けないというルールを作ったやつ』

ルールを作るやつは強いんです。

赤信号という物体があるだけでは渡ろうが何しようが怖くない。渡ると交通上の危険があるからこそ怖いという心理を作り出せるわけです。

そんな大きな影響力を持つルールメイキングを評価し、2位となりました。素晴らしい。

 

第3位

『青信号なのに待ってあげる車の運転手』

運転手の存在を忘れては行けません。

この慣用句で『みんな』が赤信号を渡るとき、交差する車道は青信号のはず。

その状況で『みんな』が怖いと感じずに済んでいるということは、この人に轢かれそうではないからです。

青信号でもしっかりと周りの様子を見て、『みんな』の安全を確保する。

非常に周りを見れる余裕のある素晴らしい方です。3位、おめでとう。

 

 

逆に、強くねえやつもいるはずです。

どういう人がいたら弱えのかも考えてみましょう。

 

 

ワースト1位

『赤信号を一人で渡るやつ』

お前は"怖さ"を感じろ。

 

ワースト2位

『みんなで渡ったのに怖がるやつ』

せっかくみんなで渡ったのにさ。

怖がっちゃあ意味ないよ。

赤信号を渡るというリスクを冒し?しかもみんなを巻き込んで?で怖がる?

だめですね。

 

ワースト3位

『青信号なのに渡らないやつ』

え、青信号って知ってる?

渡りな?

進むべきときに進まないやつ、やるべきときにやらないやつってどう?

お前のことね。

 

 

スマホ依存症大学生が24時間スマホを封印したら…

 

 

13時間。

これは俺の1日あたりのスクリーンタイムの平均である。

あまりにもスマホに依存していやしないか。

ちょっと封印してみよう。

 

 

作戦は以下だ。

・決行日は、1月5日。

・その日の0時から24時を期間とする。

・その期間、iPhoneをお風呂場の隅っこに固定し、一切触らない。

 

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スマホ依存症の大学生が24時間スマホを封印したら発狂して死ぬ説」

発狂してしまうかもわからない。。

わからないが、その日はやってきた。

 

実行しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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検証結果

めちゃくちゃパソコン触った。

 

 

(終)

嫌い・怖い・知らない

嫌い・怖い・知らない

 

 

”それ”をよく知らない。

”それ”がどんなものなのか、よく知らない。

”それ”が何でできてるのか、よく知らない。

”それ”がどうやってできたのか、よく知らない。

”それ”がどこで生まれたのか、よく知らない。

”それ”が誰に生み出されたのか、よく知らない。

”それ”が誰にとっては大切なのか、よく知らない。

”それ”にとって何が大切なのか、よく知らない。

”それ”はどんな思いが込められたのか、よく知らない。

”それ”がどんな思いを抱いているのか、よく知らない。

”それ”の良いところを、よく知らない。

”それ”のなんなら悪いところも、よく知らない。

知らない。わからない。理解できない。得体が知れない。

怖い。好きじゃない。嫌だ。

嫌い。

どこが嫌い?わからない。

何が嫌い?わからない。

なんで嫌い?わからない。

好き?わからない。

好きかもよ?ほんと?好きかも?ほんとかも?

どこが好き?どこだろう?

ここは好き?知らない。知らなきゃ。知った。好きかも。

そこは好き?知らない。知らなきゃ。知った。好きかも。

あそこは好き?知らない。知らなきゃ。知った。好きかも。

”それ”は好き?好きかも。

好き。知ってる。怖くない。

 

 

(終)

脳の容量を節約しつつ記憶を拡充するしょんだ流の方法

 

まえがき

俺が普段考えていることを少しずつさらけ出していくこのブログ。

今回は「記憶術」について話したいと思います。

まじで以下に書いたようなことをずっと考えて生きてきました。

読んでくれた皆さんに、「新たな気づきがあったな!」「その発想はありそうでなかったかも!」と思ってもらえたら嬉しいです!

 

 

「俺、自身が自分の頭で考えたこと。」しか基本的にはこのブログでは書きません。

(その都合上、記憶についての調査はあまりしていないため学術的な保証はできませんので悪しからずということで、お願いします!)

 

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主張は後半部分にあるのでぜひ最後まで読んでね。

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 記憶の総量

人間が記憶できる容量には限度がありますよね。

なんでもかんでも覚えておくのは不可能です。

しかし人によって、知識量の著しく多い人。昔のことをやたら覚えている人。

など記憶できる容量が著しく大きく見える人は存在します。

 

私はというと、くだらないこと含め知識の総量がやたらと多く、特に昔のことの記憶量がやたらと多い人間だと思っています。

 

 

「短期記憶」と「長期記憶」

一口に「記憶力」といってもたくさんの種類があります。

一般的には、大きく「短期記憶」「長期記憶」と分類されます。

短期記憶になった情報は多くが忘れられ、一部は長期記憶になると言われています。

短期記憶になったに過ぎない情報はすぐ忘れられてしまうため、人は安定的に覚えておくために長期記憶にしようと躍起になるものです。

エビングハウス忘却曲線をご存じの読者さんも多いものと思います(知らなかったらググってみてね)。その理論を持ち出し、反復によって定着を目指すというの勉強法が巷に出回っている印象を受けます。

 

しかしです。短期記憶と長期記憶って、すっぱり二つに分けられるものでしょうか。

 

 

俺のなかの4つの分類イメージ

私は知らず知らずのうちにですが、このような4つに分けられるとのイメージを確立しました。 

 

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①記憶の押し入れの出口すぐ手前に置いておくフォルダ≒短期記憶

②記憶の押し入れで整理され思いのままにいつでも瞬時にアウトプットできるフォルダ≒長期記憶

③トリガーがあれば瞬時に思い出せるフォルダ …長期記憶に分類?

④周辺知識を動員すれば思い出せるフォルダ …長期記憶に分類?

 

 

 ①≒短期記憶

知覚し認知した情報の多くが①にぶち込まれるでしょう。

なんの苦労をしなくてもここにぶち込まれるくらいのことは勝手にされます。

記憶の押し入れの入り口付近(いわゆる海馬)にグチャっと放り込まれるというイメージを僕は持っています。

入り口付近にあるうちにその情報を使おうと思えばすぐ手を伸ばせるし取り出すのに邪魔な他の情報もあまりないでしょう。

後から他の情報が放り込まれ、標的の情報が押入れの中で埋もれて見失ってしまう状態が、短期記憶を失った状態と言えるでしょう。

 

②≒長期記憶 

②長期記憶は、保持期間が非常に長く安定して記憶していられる状態です。

ここに含まれてしまえば完全に定着した情報といえ、大事なことはここに入れたいと思うものです。

脳の記憶の押し入れの奥の方(リアルな話では大脳皮質と言われているらしいです)ではありながら明確に理路整然とフォルダに保管されているイメージを僕は持っています。

ただここのフォルダに情報を入れるのはそう簡単ではないですよね。

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陳述記憶と非陳述記憶

これは専門書で調べたのですが、長期記憶には陳述記憶と非陳述記憶があるそうです。

陳述記憶はエピソード記憶意味記憶があり、非陳述記憶には手続記憶・プライミング・古典的条件づけ・非連合学習といったものがあるという分類らしい。

悪くない分類だと思います。

f:id:Skyoku-toudaibunn1:20201230161913p:plain③トリガーがあれば瞬時に思い出せるフォルダ

私の言う③(トリガーがあれば瞬時に思い出せるフォルダ)はトリガーを手続と捉えれば手続記憶に、トリガーを経験と捉えればプライミングに、トリガーを条件と捉えれば古典的条件づけに類似している。

④周辺知識を動員すれば思い出せるフォルダ

また、私の言う④(周辺知識を動員すれば思い出せるフォルダ)は周辺知識を出来事の状態と捉えればエピソード記憶に、周辺知識を意味と捉えれば意味記憶に類似していると見ることは可能である。

 (今の分類の話は説明ないとわからないかもしれないけど一旦読み進めてもらって大丈夫だと思います。)

 

課題感1

いずれにしても短期記憶を長期記憶に移行するには時間や反復、インパクトや感情等とのリンクなど、手続きが必要あるいは肝要である。

つまりは、①短期記憶から②長期記憶への移行には労力がいる。

  

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情報の一般的流れ

覚えておくべき情報

f:id:Skyoku-toudaibunn1:20201230161910p:plain情報のフォルダ移行の過程は、覚えておくべき情報であれば一般に

 

①(記憶の押入れの出口すぐ手前に置いておくフォルダ)

→④(周辺知識を動員すれば思い出せるフォルダ)

→③(トリガーがあれば瞬時に思い出せるフォルダ)

→②(記憶の押入れで整理され思いのままにいつでも瞬時にアウトプットできるフォルダ)

 

の順を辿る。短期記憶①を長期記憶②に移行する過程にグラデーション的に④、③の段階があるという話である。

 

(※友人の指摘を踏まえた追記:

友人から、「①→②の移行過程に、必ずしも④と③の両方があるわけではないのでは?」

という指摘を受けた。結論、それはその通りである。④と③は、④→③とたどることもあれば片方のみの場合もある、orの事象だと思ってくださればと思う。①→(④or③)→②の方がより正確だと表現を訂正させていただく。スライドにも反映済み。)

 

 


 

覚えておくべきでもない情報

f:id:Skyoku-toudaibunn1:20201230161902p:plain一方覚えておくべきでもない情報であれば、

 

①(記憶の押入れの出口すぐ手前に置いておくフォルダ)

→忘却

 

の順で消えていく。

 

 

 

課題感2

ここで、上記で「覚えておくべきでもない情報」として扱った、「短期記憶から長期記憶にそもそもなることを指向せず忘れ去られる情報」を残すことにも私は価値があると感じている。

たとえ些細な知識・出来事だったとしても消えていくのは悲しいじゃん。

 

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 提案

以上2点の課題を踏まえ、私の提案は以下である!!

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提案1

「覚えておくべき情報を ①→④→③ で一部止めてあげること」

 

提案2

「覚えておくべきでもない情報でも  ①→④  にして記憶に残してあげること」

 

の2方面である。

これらのことを意識的に行っているという人は極めて少ないはずだ。

新たな視点を一つの選択肢として提供できればと思う。

 

 

 (下図は再掲するので目を通すだけでOK)f:id:Skyoku-toudaibunn1:20201230161855p:plainf:id:Skyoku-toudaibunn1:20201230161850p:plain

 

 

③や④の具体例 

③「トリガーがあれば瞬時に思い出せる」というのは例えば、

「読んだ本の内容を説明してと言われてもできないが『環境問題について何書いてあった?』など特定の質問をされれば瞬時に語れる」

であったり、

「曲名を言われるだけでは歌えないが歌の出だしを言われれば瞬時にその歌を全部歌える」

、、などを想定している。

 

④「周辺知識を動員すれば思い出せる」というのは例えば、

「訓読みのみを与えられて漢字を思い出したいときに、その訓と同じ意味の二字熟語を書き出し、その熟語に使われている漢字だと考えた結果思い出す」

であったり、

「幼稚園の時にハマっていた手遊びを思い出したいときに、なんとなく左手は握り締め、右手は人差し指を下に下げる動作をしていたことを思い出し、その両手の使い方をする遊びを考えた結果ずいずいずっころばしを思い出す」

などを想定している。

 

この提案の意味

こうした思い出し方が、実は一番賢い営為だと私は思っている。

そしてこのような記憶は、脳という押し入れの中で明確かつ理路整然とは保管されていない。そのためアウトプットするのには少し手間がいる。

 

確かに手間はいるが、これを逆手にとると革命が起きる。

ほんの少しだけ時間をかけ周辺知識を総動員する手間を厭わない覚悟さえあれば、明確かつ厳格な長期記憶でなくても、実質的に長期記憶と同様に利用できるのだ。

 

活用方法

ではこれをどう活用するか。

f:id:Skyoku-toudaibunn1:20201230161855p:plain・長期記憶したい情報があったときに、まずは長期記憶に入れたいときと同様反復やら複数の感覚器官を駆使して理路整然と海馬に叩き込もうとする。

・そして長期記憶に実際格納される前にその情報に関するインプットを一旦やめてしまっていいのだ。即座のアウトプットを要する緊急性の高い情報は長期記憶に入れるべきだが、自分の脳の中にその情報が入っているだけで十分な情報であれば、もうインプットはやめて良い。

これが、「覚えておくべき情報を③で止める」ということの実際の方法である。

・そして次の情報・さらなる知識を入れていく方がためになるだろう。

f:id:Skyoku-toudaibunn1:20201230161850p:plainなお元々覚えなくてもいいかもなと思うような情報は④の定着度で十分だろう。

これが、「覚えておくべきでもない情報を④にして記憶に残してあげる」だ。

※なお④にしてあげると書いたが、③でも当然②にするより負担が軽いため、③に移行してもらっても構わない。情報のタイプや個人の好みで調整すると良いだろう。

 

事実、即座のアウトプットを要する緊急性の高い情報はそう多くない。 

( なお、逆に即座のアウトプットを要する緊急性の高い情報といえば例えば私は、人の名前を挙げる。

人の名前は瞬時に出せないと失礼にあたると私は考えるからだ。

私は次会う可能性のある人や連絡を取りたいと思った人の名前は、周辺情報とともにすぐに②長期記憶フォルダに私はぶち込むため本気で覚える。(顔と名前の一致が非常に重要であるため、付随して顔も一発で覚える。)

ただの文字列としか認識しなければ短期記憶止まりとなり、すぐ忘れてしまう。人の名前を覚えられないという人は、一般に人の名前が重要なものだという意識が甘いことが大きな原因だろう。良くも悪くも親しい人以外に興味が薄いことの表れではないかと思うので、顧慮してみてはいかがだろうか。

以上、アウトプットの緊急性をイメージしてもらうための余談。)

 

このように、人の名前や顔のような情報は②長期記憶にぶち込むべき情報であるが、それ以外は極力③か④に止めよう。

 

 

まとめ 

私が強調したい③と④の話をまとめて締めくくろう。

 

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1点目としては、「③であればかなり脳の容量を節約して②に遜色ない知識を体得できる」ということ。

2点目として、「本来なら忘れていたかもしれないが覚えているとお得になり得る知識を④としてなら脳の容量をあまり割かずにストックできる」ということだ。

 

もちろん②にするべき重要事項は存在するし、明らか忘却するべき些末事項も存在する。

そのうえでできるだけ③と④のフォルダを拡充していくことで、上記のように常人ならざる記憶容量をも獲得できる。

そう思っているのだ!!

 

 

最後に

さて、最後まで読んでくれてありがとうございます!

久しぶりの投稿だけど、この文章元々いつ書いたものだっけな、、確か4月とかだったような? …今調べてきたところ、3月8日でした。そんな前か〜。ともかく結構前に書いたものを今月12月18日に加筆修正を少しし、今日30日にスライドを追加したって感じです。

 

感想などくれたら嬉しいです!

わかりづらいところがあったら言ってくれるとありがたいです!

 

ではまた。

 

 

 

(終) 

人狼ゲームで社会人力を鍛えよ 〜人狼の意外なる本質〜

人狼。。

 

人狼ゲームとは。

騙し合いのゲーム。。

心理戦。。

と、言われている。

一般に、そう言われている。

しかし、果たして本当にそうなのだろうか。。。

 

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人狼   by 人狼ジャッジメント


 

 

 

 

概要

人狼とは

人狼ゲームとは、村人のうちに一定少数紛れ込んだ人狼が誰なのかを話し合いで探るアナログゲームである。村人チームは紛れ込んだ人狼を全員探り出し処刑することを目的とし、人狼は処刑されずに生存することを目的とする。

私は中高の宿泊行事のときに魅了されてからと言うもの、大学ではサークルにも入り大層熱中した。

 

一般論

一般的には、誰が人狼かわからない疑心暗鬼な状況で騙しあうバトルだ…と思われている。

 

しかし私から言わせればこの認識は不十分と言わざるを得ない。

 

 

本論

3つに大別

実は、人狼ゲームは主要なソフトスキルが究極的に総動員されるゲームなのである。

必要な能力は大きく3つに分解されると私は考える。

  • ①自分が真実を理解する能力
  • ②仲間に真実を理解させる能力
  • ③敵に虚偽の事実を理解させる能力

主に①と②は 村人チームに、③は人狼チームになった時に必要になる。

以下、順に語っていく。

 

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論理で律動を奏でていくぜ


①自分が真実を理解する

多数決で追放する人物を決めるにあたって、人狼が誰であるかをまず自分が見抜くのが重要である。

これは a情報収集→b示唆獲得→c統合推理 のようなフローを辿る。

 


a.情報収集

まず情報収集能力が問われる。その情報のソースには、I.役職能力によって明らかにされた事実と、II.他者の言動の二つがある。

 

I.役職能力によって得られる事実

村人チームには特殊能力を持った「役職」が設けられる。

最重要な役職である占い師は、一ターンに一人を選んで人狼か否かを診断する能力を持っている。

その能力で得られる「〇〇は人狼でない/ある」という情報は正確性100%の真実として提供されるため、どの人物を占い対象として選択するかは勝敗に大きく影響する。

対象の選択は「この人物が人狼だろう」という論拠が一般的だが

「この人物は優秀で敵だと怖い」

、さらに

「AとBが味方で、AとCは敵に思われるため、Aを占うとA,B,Cの3人の情報が得られる」

など考え方は無限大である。

検証したい仮説の深さが重要であると言える。

 

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占い師 by 人狼ジャッジメント
II.他者の言動

言動には言語情報と非言語情報がある。

  • 言語情報の聴解力

他者が発言した事実や意見に加え、言葉尻(終助詞)や副助詞のチョイス等からも情報が得られる。

  • 非言語情報の観察力

また非言語情報としてリアクション等、示唆を獲得し得る言動は無数にある。メタ的に周囲の状況に気を配ることができると良い。

そうした、聴解力やメタ的観察力が有用となる。

 

  • 質問力

加えて、他者の言動の情報源としての特殊性は、自分の質問次第でいくらでも議論の中で引き出せるという点である。

短い議論時間の制限がある中、クリティカルな質問をできる能力は非常に重要だ。

役職の能力は、正確性は100%である一方、試行回数は1ターンに1回きりである上、(例えば占い師なら)「〇〇は人狼であるか否か」ということしか検証できない。 

YesNoクエスチョンしかできないのだ。

一方で単なる質問であれば、嘘をつかれる可能性があるため正確性は保証されないものの、質問形態が制限されていない。

5W1Hを駆使したオープンクエスチョンが無制限に可能なのだ。(ルールやマナーに反しない限度で)

その意味では役職由来で情報を得るのと同等以上の価値を持ち得る。

 

 

「正確性」に強みのある役職能力由来の情報と、「自由度」に強みのある他者の言動由来の情報を総合的に収集するのが非常に良いだろう。

 


b.示唆獲得

次に、そうして収集した情報からどのような示唆を見出すかで能力が問われる。


c.統合推理

最後の、獲得した示唆を統合して推理をまとめるフェーズでは、その統合・推理能力が問われる。その如何で推論の過程やその結論は大きく変わり得る。

 


b、cを説明する例として、

A(占い師)が「私は占い師だ。Xは人狼ではない。」と主張し、B(人狼)は「私こそが占い師だ。Yは人狼ではない。」と主張した場面を想定する。

実際には占い師は一人しかいない設定なので、片方の占い師は人狼側が詐称しているのは明白だ。

ただその事実から見出せる示唆及び結論は複数考えられる。

例えば

「偽占い師(人狼B)は仲間を庇ってもう一人の人狼人狼でないと言ったのでは。故にYも人狼だろう。」

と推論できる一方

人狼が仲間をいきなり庇いにいく姿勢は、先述の推論により即座に怪しまれてしまうとBは知っていたのでは。さらに、村人であるYを人狼ではないと言うことでYの信用を得る戦略なのでは。故にYは人狼ではないだろう。」

との推論も可能だ。どちらのシナリオも合理的だ。同じ情報からでも引き出す示唆・結論は各プレイヤーで個性が出るのだ。

 

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何の役職能力もない村人

 


②仲間に真実を理解させる

仮に自分が真実を知っていたとしてもそれを仲間に理解してもらわないことには、多数決で人狼を処刑することができない。故に説得力が求められる。

人を説得するにはどうすれば良いのだろうか。

何をもって人は人の言うことを信頼するのだろうか。

 

信頼は、発言内容自体の信頼と、人自体の信頼の二つに分けられると考えられる。

 

発言自体への信頼

発言を信頼してもらうには、発言の中身が信頼に足る内容である必要がある。 

論理性

信頼に足る内容とは、正確性が高そうなものだ。

①で話したような思考過程を正確に踏んできたことが窺える論理性を持った発言を心がけたい。

説明力

加えて、仮に発言の裏にある思考が極めて論理的だとしても、それを伝わるように話さなくては意味をなさない。

尤もらしいことを、わかりやすく説明するトーク力・説明力が求められる。

 

人への信頼

発言の正確性と同等に信頼を決定するものが、人への信頼である。

「この人は信頼できる人だから、言うこと聞こう」と思うのは人の常である。

「何を言うかより誰が言うかだ」という事態が起こるのは人狼ゲームでも例外ではない。

特に人狼ゲームで信頼できる人というのは、味方(村人チームにとっての村人チーム)ということである。味方とは基本利害関係が一致しているので信頼し合うものだ。

故に、味方(村人チーム)からの信頼を勝ち取るためには、村人チームに利益を与える言動をすることが効果的である。

そのため積極的な貢献が求められる。

ただその一方で、発言が過多で主張が強すぎると、議論を人狼有利にコントロールしたい人狼だと疑われてしまう恐れもある。

あくまで他人の主張を聞く余裕を持ちつつ全体感のある貢献が良いようだ。

 

ビジネススキルそのもの

論理性のある内容を理解しやすく説明し、人物として信頼されることで、自分に有利な意思決定を他者にしてもらうのだ。

まるでセールスであり交渉でありプレゼンであり、

もはやビジネススキルそのものである。

 


③敵に虚偽の事実を理解させる

これは人狼チームになった時に人狼の生存のため村人チームを欺くために必要となる。このプロセスは非常にハラハラする場面だが、求めれられるのは嘘をつく演技力だけではない。

大別すると、演技力・説得力・シナリオ構築力の三つになる。

演技力

演技力とは自分の嘘を通すように振る舞う能力であることは良いだろう。

説得力

そして説得力は②でも話した、ビジネススキルのような能力のことである。

シナリオ構築力

残りのシナリオ構築力だが、ここでは最重要となる。ここで構築するシナリオとは嘘の内容である。自分が人狼ではなく他の誰かが人狼であることを尤もらしく見せるシナリオである必要がある。

そのためには正しい情報把握が必要である。なぜなら、事実と矛盾する発言をしたら、嘘がばれたり信頼感を損なったりと危険だからだ。

村人チームにも求められる情報把握能力・そこから自分に有利な示唆を見出す能力を兼ね備え、その上でそれに適合したシナリオを構築する能力も必要なのだ。

 

 

 

終わりに


以上、人狼ゲームの意外なる本質を語った。

誰が嘘をついているのかわからないドキドキ感があるのはもとより、推理し仲間を巻き込んで真相を突き止めていく楽しさは何物にも替えがたい。

 

そしてそれだけでなく、そうして楽しく遊ぶなかで、以上語ってきたような極めて重要なソフトスキルを大きく鍛錬できる。

 

そんな最強のゲームなのである。

 

 

 

 

 

P.S

ぶっちゃけ、全然語り足りていない。

今回は、要求されるソフトスキルを構造化して書いてみた。

しかしかなり省略し、簡単に書いた。文量を減らし、理解難易度を下げた。

 

というのも、人狼ゲームをあまり知らない人達にもせめて人狼ゲームの本質だけでも伝えたい。

そういう思いから執筆したためだ。

人狼ゲームをよく知る人にも新しい視点を提供したいという気持ちもありつつも今回は対象として初心者を優先させてもらった。

 

タイトルをつけるにあたっても、人狼ゲームにあまり興味がない層に訴求するためにあえて「社会人力」ということばを使った。

その意識をしないのであれば単純に「人狼の意外なる本質」にすればよかった。

あるいは「ソフトスキル」にしても良いし「人間力」にしてもよかった。

また、もしさらに人狼ゲームに興味のない層への訴求力を高めるために「就活力」という言葉を使ったら良いかもとは思ったが、あまりにもソフトスキルという本質から逸れると感じたため、間をとって「社会人力」とさせてもらった。 

 

さてさて。まあ今回そのように大衆に受け入れられる範囲を念頭に置きながら執筆したわけだが、

それぞれのソフトスキルが使用される場面やその際の戦略、その思考過程などなどを上級者目線を含めてさらに語り尽くす場があったらなと思う。

 

 

 

 

 

 

という続編フラグ

 

 

 

 

(終)

MOROHAの『革命』に心洗われた話 #効果測定

 

 

プロローグ

 

もう一度勉強して受け直す。

不合格。

 

おかしいおかしい。。

 

 

ーーーー昨年5月頃。

私は自動車教習所に入ってから授業が進み、仮免前効果測定を受ける段階に入った。

 

仮免試験前に教習所で効果測定なる○×形式の学科試験を受ける必要があるのだ。

50問中45点で合格。受験回数制限なし。

 

自動車免許を取得していく者なら誰もが軽々クリアしなければならないその試験で合格点を取れなかった時の僕である。

 

記念受験の初回はいいけどなんでもう2回落ちるねん。

 

 

間違えた問題を見直してみよう。

知識不足で間違えている問題がもちろんある。

しかしそうでない間違え方をしている問題があった。

 

日本語として問題がおかしいのだ。

 

ああ、これか。

水溜りボンドの動画で、「自動車免許の問題が酷い」みたいな企画観たな。

これだわ。

いやー作問くらいしっかり日本語のできる人にやってほしいなあ。

などと作問者に責任転嫁をしながら帰宅した僕は、ふて寝をしようとベッドに行った。

 

出会い 

意味もなくYouTubeを開く。

手癖のようなものだ。

ホームを見る。

 

しょぼいサムネに聞いたことないアーティストのよくわからない曲があった。

 

「「3.9M views」」       ※正確な数値は覚えてないので適当です。なお執筆中の今は421万回。

 

400万回近くも再生されている!?

凄すぎる…笑

 

それだけ再生されているということは、何か良いものがあるんだろう。

観てみようか。再生した。

 

 曲の内容 

「乾杯! 誕生日おめでとう!」

 

うぉ、話しかけてきた。

 

「いやーしかしあっという間だよな。俺たち今年26だぜ?」

 

すげー語りかけてくんじゃん

 

「いやーしかしこの前の飲み会もめちゃめちゃ盛り上がったよな。

あいつ目覚めたら逗子にいたらしいぜ。笑えるよな。

いやー俺たちほんと幸せもんだよ。

でかい夢があって。それを語り合える友達がいて!」

 

おぉ、良いねぇ

 

「女はいないけど、酒は美味いし、悪くない。」

 

あぁ、い、良いねぇ

 

「悪くない……とは思うんだ。」

 

お?

 

「けどさ、いや全然大した話じゃないんだけど、俺お前に言わなくちゃいけないことあるんだよね。」

 

ドキーン!なんだろう。

 

「…そういやさ…飲み会の帰り道、突如やってくるあの虚しさ。

あれなんだろうね。

あれ、やばくね!?

…胸、痛くね…?

…ごめん、どうでも良いか!

話っつーのは…」

 

ああ、なんかわかるかもなぁ。

「俺、今何してるんだろう。」みたいな、あれだよね。

おう、話聞かせてくれ。

 

 「ごめんな友よ。俺はもう行くよ。

居酒屋だけの意気込みじゃゴミだ。

お前も本当は気付いてるんだ、素面じゃ語れぬ夢は惨めだ。

現実は辛い暗い、時に苦しい。

それでも妄想よりは眩しい。

本気を出したらヤバい俺より、いつだって本気なお前がヤバい。」

 

「汗を千切る、涙ちょん切る。

そびえ立つビルに桜散る散る。

飲み干すビール。

時間が過ぎる。この街で迎えた六度目の春。

今年こそ?来年こそ?

何年生きれるつもりで生きてきたんだ!?

今日が終わる。いや今が終わる。

そう思えたやつから明日が変わる。」

 

おわぁ。

俺はあと何年生きられるんだ。せいぜい60年とかか?

今がこの瞬間も終わっていくぞ?

 

「真っ暗闇の未来に描き殴る 蛍光ペンを求めて、

半径0mの世界を変える!

革命起こす幕開けの夜!!」

 

 

先が見えない、それが未来。

見えないからこそ 自分で明るく描く。それも勢いよく。

そのために、周囲の何かではなく自分自身から変えていく。

そこから革命が始まるぜ、見てろよ。

 

表現がかっこ良すぎるよ!?

そして歌い方もかっけぇ。訴えかけてくる熱いその声。

虜になるのには一番だけで十分だった。

 

 

以下二番。

「ヒップホップもロックもジャンルじゃない。

それは魂の名前だ。

ギターが一本マイクが一本。

俺らは俺らの道を行くだけ。

俺は生きているって感じていたい。

俺はここにいるってわかってほしい。

居場所はいつまでも原点。

その点をでかくしていくだけ。」

 

「悔しさの跡地で笑え。

悲しいことさえロマンで歌え。

全てのことがうまくいくよりも劇的じゃねえか!そっちの方が。

一回二回くらい負けたくらいで折れちまうプライドならもう捨てた。」

 

効果測定に一回二回くらいで折れちまうのか?俺は。
(三回落ちたから一回二回じゃないでしょとか言わない!)

 

「勇気や希望、笑わない勇気

それだけが俺らを運ぶぜ。」

 

「今まで恥ずかしかったこと。

夢や希望、真顔で語ったこと。

今まで恥ずかしかったこと。

あいつ痛い寒いと言われたこと。

今まで恥ずかしかったこと。

身の程を知れって言われてこと。」

 

んー、こういうこと言うのかMOROHAさん…?

 

「今まで恥ずかしかったこと。

それを恥ずかしいと思ったこと。」

 

ヒュ〜〜〜〜〜〜〜

痺れたよ。

夢や希望に本気になることが恥ずかしいことなわけないだろう!

本気になりきれないこと。本気な人を笑うこと。こういうことの方が恥ずかしいんだ。

 

「バカにされないくらいバカになりたいよ。

毎日毎晩、夢中でやってる。

青タンこさえて綴る生活に誰にも何も言わせやしないと。

暇さえあればタネを巻いて、暇がなくたって水をやった。

マイペースで間に合うはずがねぇ。

だから癒しやゆとりの逆へ、逆へ。

逆境は最高の御馳走だ。

並ぶ白い目にほっぺが落ちそうだ。

焦りや葛藤、今日もありがとう。

溜め息後のヤバいを寄越せよ!」

 

誰にも文句を言われないほどにバカみたいに泥臭く先へ進む。

逆境さえ糧にして。

 

「自信、確信、あるはずもねぇ。だけど、いやだからこそ、

半信半疑を半殺すのさ。

それだけの日々を情熱と呼ぶ!」

 

おぉぉぉぉ。

†半信半疑を半殺すのさ†

このフレーズのかっこ良さったらない。LINEのひとことにしよっかな。

 

既に歌詞を書いた部分が繰り返され曲は終わる。

余韻がすごい。。

 

そして… 

限られた人生の時間の中、いかに他人に白い目を向けられようが怠惰な生活に安住せず、希望に向かって本気で挑戦する。

 

そんなメッセージに心を打たれていた。

こんな体験初めてだ。。

雷に打たれたような感覚

体が心なしか軽い。。

 

 

 

 

はっ!!

 

 

 

我に返る。

俺は何をしている。効果測定に落ちてベッドで横になっている俺。

まさにちょっとの失敗でふてくされてだらだらと"今"を浪費しようとしている。

 

 

半径0mの世界を変える!

革命起こす幕開けの夜!!

 

俺は立ち上がった。

教習所はまだ開いている。

自転車をもの凄いスピードで漕ぎ、爆速で自動車教習所に到着した。

 

自習スペースで交通の勉強をする。

作問者に責任転嫁なんかしない。

さっきまでの俺とは違う。

 

全てのことがうまくいくよりも劇的じゃねえか!そっちの方が。

一回二回くらい負けたくらいで折れちまうプライドならもう捨てた。

 

半信半疑を半殺す!!

 

最強になった気分だ。

 

堂々とした足取りで効果測定室に入室。

効果測定を受験した。

不合格でした。

その後もう一回落ちて計6回目でようやく受かりました。

東大文科一類には一発で合格したのにね!

 

ハッハハハハハハハハハ!

 

 

(終)